福岡県は自然豊かな地域で、海や山に恵まれています。
いちごの「あまおう」や「博多なす」といった農産物が全国的に有名で、その自然条件を活かした食文化が育まれています。
また、古くから中国大陸や朝鮮半島との交流が盛んで、今でも多くの人や文化が行き交う九州の玄関口として知られています。そのため、地域ごとに異なる食文化が発展しています。
「がめ煮」は福岡県を代表する料理のひとつで、「筑前煮」とも呼ばれます。
この名前の由来には諸説あり、博多弁で「寄せ集める」を意味する「がめくりこむ」からきたという説や、昔博多でスッポンを野菜と一緒に煮たことから、スッポンの博多弁「がめ」に由来するという説があります。
がめ煮は正月や結婚式、葬式などの行事だけでなく、日常的にも作られる料理です。季節や行事に応じて材料を変える柔軟さがあり、夏には芋や大根が省かれることもあります。
がめ煮の材料と作り方
材料例(1人分)
鶏もも肉
れんこん
ごぼう
こんにゃく
にんじん
乾しいたけ
さといも
厚揚げ
さやえんどう
調味料
しょうゆ
砂糖
清酒
だし汁
調理手順
1:材料を適切な大きさに切り、必要な下ごしらえをする。
2:鍋で鶏肉を炒め、調味料で下味をつける。
3:野菜類を加え、だし汁と共に煮込む。
4:最後に厚揚げとさやえんどうを加えて仕上げる。
福岡県の郷土料理として、給食にも取り入れられています。例えば、ごはん、牛乳、さんまの煮つけ、小松菜としめじのおひたしと共に提供されることが多いです。
「がめ煮」を作る過程で、性格が反映されるというエピソードもあります。「じっくり煮込むと味がしっかり染み込み、急いで作ると浅い味になる」と言われ、福岡の生活に根ざした料理であることが感じられます。
まとめ
がめ煮(筑前煮)は、福岡県の代表的な郷土料理で、鶏肉や根菜類を煮込んだ料理です。
名前の「がめ煮」にはいくつかの由来があり、博多弁で「寄せ集める」を意味する「がめくりこむ」から来たという説や、豊臣秀吉が朝鮮出兵のため博多を訪れた際に、博多の川で捕まえたスッポンを煮込んだことから名付けられたという説があります。
また、福岡県の北部が「筑前の国」と呼ばれていたことから「筑前煮」とも呼ばれています。
この料理は、鶏肉をベースに、れんこん、ごぼう、にんじん、こんにゃく、さといも、厚揚げ、さやえんどうなどの様々な食材を使用します。
調味料には、しょうゆ、砂糖、清酒、だしが使われ、素材の旨味を引き出すために煮込まれます。
具材のバランスや煮込み具合は家庭や地域によって異なり、季節や行事に応じて材料が変わることもあります。
がめ煮は、正月や結婚式、葬式などの行事やお祝いごとに作られ、家庭料理としても親しまれています。
特に、福岡では「がめ煮」を食べることで、その家庭の「おっとりした」または「せっかち」な性格がわかるという言い伝えもあり、福岡の食文化に深く根付いた一品です。