佐賀県の郷土料理うったち汁とは?

ご当地グルメ
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佐賀県は、北に玄界灘、南に広がる有明海、中央にそびえる脊振山地やそのふもとに広がる佐賀平野など、多様な地形に恵まれています。この環境から「有明のり」「むつごろう」「佐賀牛」といった全国的に有名な特産品が生まれています。

また、日本の稲作の歴史を物語る「菜畑遺跡」(唐津市)や「吉野ヶ里遺跡」も発見され、弥生時代の大規模な農耕文化を支えた地域として知られています。さらに、美しい器として国内外で知られる「有田焼」も、佐賀を代表する伝統工芸です。

「うったち汁」は平安時代の女流歌人、和泉式部が都に向かう際、養い親にふるまわれたと言われる伝統的な料理です。

「うったち」とは、佐賀県の塩田地区の方言で「旅立ち」を意味し、今でも就職や結婚などで家を離れる子どもを送り出す際に作られる習慣があります。

この料理には通常、鯨の脂身が使われますが、近年では豚肉が代用されることもあります。

うったち汁の材料と作り方

材料(1人分)

おばやき(鯨本皮) … 7g
中力粉 … 14g
塩 … 0.1g
水 … 10g
たまねぎ(千切り) … 15g
里芋(いちょう切り) … 13g
ごぼう(ささがき) … 10g
にんじん(いちょう切り) … 6g
葉ねぎ(小口切り) … 3g
干ししいたけ(千切り) … 0.5g
水 … 130g
サラダ油 … 0.8g
塩 … 0.06g
濃口しょうゆ … 3.5g
清酒 … 1.2g
薄口しょうゆ … 1g
※鯨がない場合は豚ばら肉で代用可能

作り方

1:干ししいたけを戻し、その戻し汁をだしに使う。里芋は茹でてぬめりを取る。ごぼうはささがきにして水にさらしておく。

2:中力粉と塩、水を混ぜて耳たぶ程度の硬さにする。

3:サラダ油でごぼう、にんじん、たまねぎを炒め、鯨や里芋、しいたけを加える。

4:材料をだし汁で煮込み、アクを取りながら弱火でじっくり火を通す。

5:調味料を加え、2で作った生地をちぎりながら鍋に入れる。最後に葉ねぎを散らして完成。

「うったち汁」は寒い季節にぴったりの温かい郷土料理です。平安時代に肥前の地(現在の佐賀県)で育てられたという伝説が残る和泉式部にまつわるエピソードがあり、今も地域の行事や家族の節目に作られることがあります。

まとめ

うったち汁は、佐賀県の塩田地区に伝わる伝統的な郷土料理です。その名前の由来は「うったち」という方言で「旅立ち」を意味し、平安時代の女流歌人・和泉式部の旅立ちにまつわる伝説が語り継がれています。

都に向かう和泉式部を養い親が見送る際、この汁をふるまったとされています。現在でも塩田地区では、子どもが就職や結婚で家を出る際に「うったち汁」を作り、旅立ちを祝う風習が残っています。

この料理には本来、鯨の脂身(おばやき)が使われますが、近年では手に入りにくいため豚肉が代用されることもあります。

具材には里芋やごぼう、干ししいたけなどの野菜がふんだんに使われ、だし汁で煮込まれた優しい味わいが特徴です。

また、中力粉を練って耳たぶほどの硬さにした団子を鍋に落として煮込むことで、独特の食感とボリューム感が加わります。

寒い季節にぴったりの温かい一品で、家族の絆や地域の歴史を感じられる料理として親しまれています。

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