香川県は四国の北東に位置し、瀬戸内海に面した日本で最も小さな県です。
美しい景観を誇る栗林公園や、歴史的な源平合戦の舞台となった屋島、金刀比羅宮、小豆島など、多くの名所が点在しています。
この地域は温暖な気候と四季折々の自然美に恵まれ、古代の歌集『万葉集』でもその豊かさが詠まれています。
県民に愛されているものには、県魚であるハマチや、県花・県木のオリーブがあります。
また、良質な小麦が育つ気候条件や、塩や醤油、煮干しの入手が容易であったことから、讃岐うどんが生まれ、日本全国で知られるようになりました。
あんもち雑煮の由来と特徴
砂糖が希少だった時代に、正月の特別なごちそうとして親しまれていたのが「あんもち雑煮」です。
この料理に使う白みそは、秋の収穫後に蒸した大豆と米こうじを用い、塩分控えめに仕込んで1～2か月かけて熟成させたものでした。
冬場には欠かせない調味料として重宝され、多用途に用いられていました。
あんもち雑煮に使う具材は地域ごとに異なり、里芋やごぼう、油揚げなどが加えられることがあります。
また、盛り付け時に花かつおやネギを添える家庭もあります。もちや野菜を丸く切るのは、「家族が仲良く過ごせるように」という願いが込められているからです。
このような特徴から、あんもちを使った雑煮は香川県ならではの珍しい一品となっています。
あんもち雑煮の材料と作り方
材料（1人分）
あん入り丸もち（1個）: 80g
大根（3mm厚の輪切り）: 20g
金時にんじん（3mm厚の輪切り）: 10g
煮干し: 50g
水: 200ml
白みそ: 20g
青のり: 少々
作り方
1：煮干しと水でだしを取る。
2：鍋にだしを入れ、大根と金時にんじんを加えて煮る。
3：野菜が柔らかくなったら、あん入り丸もちを加え、もちが少し柔らかくなったら白みそを溶き入れる。
4：椀に盛り付け、青のりを振りかける。
この料理は主に香川県の平野部で広まり、西讃地域や島嶼部では食べない家庭もあります。また、具材や味付けは地域や家庭ごとに異なりますが、白みそを使うのが一般的です。
まとめ
あんもち雑煮は、香川県を代表する郷土料理の一つで、全国的にも珍しいお雑煮のスタイルです。
特徴的なのは、甘いあんこを包んだ丸もちを使用する点です。味付けには白みそを使い、まろやかな甘さと塩味が絶妙に調和した独特の風味を楽しめます。
この料理は、香川県の平野部を中心に伝承されてきました。正月に食べる特別な料理として親しまれており、地域や家庭ごとに具材や盛り付けが異なるのも特徴です。
具材には、大根や金時にんじん、里芋などを使い、もちや野菜を丸く切ることで「家族の円満」を象徴しています。仕上げには青のりや花かつおを振りかけ、彩りを添えることもあります。
歴史的には、砂糖が貴重だった時代に、甘いあんこを詰めたもちがごちそうとして重宝されていたことが背景にあります。
また、秋に仕込む白みそは、冬の調味料として多用途に使われ、香川県の食文化を支えてきました。香川県ならではの味わいを堪能できる一品として、現在でも多くの家庭で愛されています。
