鳥取県中部で特に親しまれている「いぎす」は、乾燥させた海藻「いぎす草」を戻して煮込み、固めたものです。
このいぎす草は、地元の浜でよく収穫され、冠婚葬祭などで料理として提供されます。
鳥取県は、北側が日本海、南側は中国山地に囲まれた自然に恵まれた地域で、観光地としては鳥取砂丘や大山、温泉地などが有名です。
地元の特産物には、20世紀梨、砂丘らっきょう、砂丘ながいも、白ねぎなどの農産物が豊富にあり、また松葉ガニやまぐろ、いか、あじなど新鮮な海の幸も多くあります。
江戸時代には、池田藩主が質素倹約のために「豆腐食」を推奨し、これがきっかけで「豆腐ちくわ」や「どんどろけめし」など、独特の郷土料理が受け継がれ、地域の伝統的な味として定着しています。
いぎすの白和えの材料とレシピ
材料(1人分)
木綿豆腐(サイコロ切り): 30g
いぎす(短冊切り): 20g
ほうれん草(2cmに切る): 12g
にんじん(せん切り): 5g
米みそ: 2g
砂糖(三温糖): 1.5g
ごま(白または黒): 1g
うすくちしょうゆ: 0.5g
下ごしらえ・作り方
1:木綿豆腐は加熱して水分を絞る。
2:にんじんとほうれん草は下ゆでしておく。
3:ごまをからいりしてからすりごまにする。
4:木綿豆腐と米みそ、砂糖、うすくちしょうゆを混ぜて味を調整する。
5:ほうれん草、にんじん、いぎすを加えて混ぜ合わせる。
「いぎす」は、日本海沿岸を中心に広く分布し、特に鳥取県や福岡県、新潟県などでよく食べられています。
様々な料理に使える食材で、白あえや酢みそあえ、しょうがじょうゆなど、さまざまな味付けが可能です。
まとめ
いぎすの白和えは、鳥取県中部の郷土料理の一つで、地元で特に親しまれている料理です。
「いぎす」は、乾燥した海藻である「いぎす草」を水で戻して煮込んだ後、固めたものです。
このいぎす草は鳥取県内の浜で収穫され、昔から冠婚葬祭などの特別な場で食べられてきました。そのため、いぎすは単なる食材以上に、地域の文化や伝統を象徴する存在とも言えます。
いぎすの白和えは、そのいぎす草を豆腐や野菜と一緒に和えて作る料理です。
一般的には、木綿豆腐をしっかり絞ってから、味噌や砂糖、うすくちしょうゆで味を整え、すりごまを加えて風味をつけます。
さらに、ほうれん草やにんじんといった野菜を加えることで、色彩が豊かになり、栄養バランスも良くなります。いぎす自体は味にクセがなく、白和えのような料理にすると、味噌やごまの風味が調和して食べやすくなります。
この料理は、地元では冠婚葬祭などの行事食としても大切にされており、特に祝いの席で見かけることが多いです。
さらに、白和え以外にも、いぎすは酢みそ和えやしょうがじょうゆで食べることもあり、様々な味付けに対応できる食材として親しまれています。いぎすの白和えは、地域の風味と歴史を感じさせる、栄養豊富で美味しい郷土料理です。