兵庫県は、日本海から瀬戸内海を経て淡路島を通じて太平洋に至る広範な地域を有しています。
都市部、農村、そして島々が一体となり、独自の気候と地形に恵まれたこの地は、海水浴やスキー、温泉など、多彩なレジャーを楽しめることから「日本の縮図」とも称されます。
工業が盛んな都市エリアでは鉄鋼や造船、機械産業が発展している一方で、山間部や日本海沿岸地域では、自然の恵みを活かした農林水産業が活発です。
牛肉や猪肉、瀬戸内海のタコやタイ、日本海で獲れるイカやカニなど、地元で収穫された旬の食材を使った郷土料理が各地で親しまれています。
ぼたん鍋の起源
明治時代に肉食が許可されるようになると、兵庫県篠山地域で味噌仕立ての猪鍋が考案され、広く親しまれるようになりました。
篠山に駐屯していた陸軍歩兵部隊の若者たちが訓練中に捕獲したイノシシを料理したことが、現在のぼたん鍋の原型と言われています。この料理名は、皿に盛り付けた猪肉が牡丹の花のように見えることから付けられました。
ぼたん鍋のレシピと材料
材料（1人分）
イノシシ肉（スライス）100g
大根（いちょう切り）100g
にんじん（いちょう切り）50g
焼き豆腐（一口大）125g
つきこんにゃく 35g
白菜（短冊切り）100g
淡色辛みそ 22.5g
赤色辛みそ 19g
ネギ（根深）25g
粉山椒 0.1g
煮干し 10g
水 200g
作り方
1：煮干しで出汁を取る。
2：出汁にイノシシ肉を加える。
3：大根とにんじんを投入し、柔らかくなるまで煮込む。
4：焼き豆腐、つきこんにゃく、白菜を加える。
5：淡色辛みそと赤色辛みそで味を調え、ネギを入れる。
6：最後に粉山椒を振りかけて仕上げる。
篠山の名物「ぼたん鍋」は、秋から冬にかけて特に人気の高い料理です。
11月15日、イノシシ猟の解禁とともに、ぼたん鍋の季節が訪れます。猪肉は厚みがあっても淡白な味わいが特徴で、煮込むほど柔らかくなります。
また、食べると体が温まる滋養強壮の食材としても知られています。
まとめ
ぼたん鍋は、兵庫県篠山市を代表する郷土料理で、主に猪肉を使った味噌仕立ての鍋料理です。名前の由来は、猪肉を皿に並べると、花のような形に見えることから「ぼたん鍋」と呼ばれるようになったと言われています。
この料理の歴史は、明治時代にさかのぼります。当時、肉食禁止が解かれ、篠山に駐屯していた陸軍の若者たちが訓練の合間にイノシシを捕まえて食べ、味噌汁として調理したことがきっかけです。この猪肉を使った料理が「ぼたん鍋」として親しまれるようになりました。
ぼたん鍋の特徴は、猪肉をメインに、大根、にんじん、白菜などの季節の野菜と共に煮込むことです。味付けには、淡色と赤色の辛みそが使用され、深い味わいを生み出します。また、煮干しから取った出汁が加わり、料理に豊かな風味を与えます。
猪肉は、やや硬い部分もありますが、長時間煮込むことで柔らかくなり、滋養強壮に効果があるとされています。冬の寒い時期にぴったりの料理で、体を温め、元気を補充するために食べられます。特に、11月15日のイノシシ猟の解禁とともに、ぼたん鍋のシーズンが始まり、地元の人々や観光客に親しまれています。
