ペルム紀は、約2億9900万年前から約2億5190万年前まで続いた古生代の最後の地質時代であり、数百万年の誤差があるものの、この期間にあたります。
この時代は後期(ローピンジアン)、中期(グアダルピアン)、前期(シスウラリアン)の3つの時期に分けられ、それぞれも数百万年から数十万年の誤差があります。
この名称は、ロシアのペルミという都市に由来しています。
以前は、ドイツで提唱された二分された地層名を基に「二畳紀」と呼ばれていたことが多かったです。
ペルム紀の生物
ペルム紀には多種多様な植物や、大型の両生類、爬虫類が生息していました。
その中には、恐竜や鳥類、そして現代の爬虫類の先祖にあたる双弓類も含まれていました。
また、哺乳類の祖先である単弓類(哺乳類型爬虫類)も繁栄し、陸上に豊かな生態系が築かれていました。
昆虫では、完全変態を行う種が進化したのもこの時期です。ペルム紀の浅海域の堆積物からは、軟体動物、棘皮動物、腕足動物などの化石が多く見つかり、三葉虫も盛んに生息していました。
植物では、シダ植物に加え、イチョウやソテツといった裸子植物も広まりました。
また、この時期には節足動物と植物との間で密接な関係が築かれていたことが分かっています。
さらに特異な例として、この時代の微生物が培養されたことが報告されています。約2億5000万年前に形成された岩塩層から、結晶内に閉じ込められていた古細菌と真正細菌を培養することに成功し、古細菌は新種としてハロバクテリウム科の新属「Halosimplex carlsbadense」として記載されました。
ペルム紀の大陸配置
ペルム紀初期、赤道付近にあったユーラメリカ大陸と、南半球から北上してきたゴンドワナ大陸が衝突し、これによりパンゲアという巨大な超大陸が形成されました。
シベリア大陸も存在していましたが、最終的にはシベリアもパンゲアと衝突し、ウラル山脈ができ、ほぼすべての陸地が1つの大陸としてまとまりました。
パンゲア大陸は赤道を挟んで三日月状(C字型)の形を取り、大陸の周囲はパンサラッサという大洋で囲まれていました。大陸の東側(三日月形の内側)には古テチス海が広がり、シベリア大陸からゴンドワナ大陸へと小さな大陸や島々が点在していました。
ペルム紀の気候
ペルム紀初期、ゴンドワナ大陸は南極地域にあり、氷床が発達していたため、気候は寒冷でした。
しかし、ゴンドワナ大陸が北上して南極地域を脱したことにより、氷床は解け始め、気温は上昇しました。
ペルム紀末には気温が急激に上昇し、地球の平均気温は23℃に達しました。これは過去6億年で最も高い気温とされています。このような気候変動により、パンゲアの内陸部では砂漠化が進行していました。
ペルム紀末期の大量絶滅
ペルム紀末、約2億5100万年前のP-T境界において、地球全体で大規模な海退が起こり、史上最大の大量絶滅が発生しました。海洋生物の96%、すべての生物種の90~95%が絶滅したとされています。
この大量絶滅の原因については、いくつかの仮説があります。氷河作用、隕石の衝突、パンゲアの出現、海退、大陸棚の減少などが説明されていますが、いずれも決定的な証拠はありません。寒冷化や毒素の広がり、あるいはこれらの要因が複合的に影響したとする仮説もあります。
まとめ
ペルム紀は、約2億9900万年前から約2億5100万年前までの期間を指し、古生代の最後の時代です。
この時期、地球の大陸は1つの超大陸、パンゲアにまとまり、シベリア大陸とゴンドワナ大陸が衝突して形成されました。
気候は初め寒冷でしたが、ゴンドワナ大陸が北上するにつれて氷床が解け、温暖化が進行。ペルム紀末には地球の平均気温が23℃に達し、内陸部では砂漠化が進んでいました。
生物多様性も非常に高く、巨大な両生類や爬虫類が繁栄し、恐竜や鳥類、現代の爬虫類の祖先となる双弓類も登場しました。
植物ではシダ植物や裸子植物が広がり、昆虫では完全変態を行う種が進化。海では、三葉虫や軟体動物、棘皮動物が繁栄しました。
しかし、ペルム紀末には地球史上最大の大量絶滅が発生し、海洋生物の96%、全体の生物種の90~95%が絶滅しました。その原因は氷河作用や隕石衝突、気候変動など複数の要因が関わっているとされています。