サバ缶ダイエットとは?

サバ缶を使ったダイエット方法には、魚の脂肪が効果的に働いて体重を減らせるという噂があります。

しかも、その手軽さは魚そのものではなく、缶詰でも大丈夫と言われています。また、50代くらいの人なら、魚を食べることにあまり抵抗がないため、代謝が低下している50代の人にも最適なダイエット方法です。

しかし、本当にサバ缶で痩せることができるのでしょうか。実は、サバに限らず青魚には、EPAという物質が豊富に含まれています。

EPAを摂取すると、小腸からGLP-1というホルモンが分泌されます。このGLP-1は、膵臓から血糖値を下げるインスリンを速やかに放出する効果があります。

さらに、GLP-1は胃から腸への食物の移動を遅らせる効果もあります。そのため、血糖値の上昇が緩やかになり、肥満を防ぐ助けとなります。また、満腹中枢に作用して、過食を防止します。

結果的に、サバ缶を食べることでダイエットができるのです。したがって、青魚であればどんな種類でも効果が期待できます。実際、青魚の中でもサバはEPAの含有量が非常に多いので、その効果が早く現れやすく、ダイエットに適しています。

また、GLP-1の働きを増加させるために、菜の花やごぼうなどの食物繊維の多い食材と一緒に摂取すると、ダイエット効果がさらに高まります。

最後に、なぜサバ缶でもダイエットができるのかという点ですが、1缶のサバ缶には厚生労働省が定めたDHAやEPAの基準量が含まれているからです。

ただし、サバ缶ダイエットには欠点もあります。それは、1缶あたりのカロリーが300キロカロリー前後と比較的高いことです。

通常、成人女性の1日の摂取カロリーは1800~2000とされていますので、サバ缶を3食摂取するだけで、1日の半分のカロリーを摂取してしまいます。

したがって、サバ缶だけでなく普通のサバも購入し、上手に使い分けて調理することが、賢明なダイエット法だと考えられます。

鯖缶ダイエットの可能性

魚全体に共通することですが、特に鯖、イワシ、サンマなどの青魚には、EPA(エイコサペンタエン酸)という成分が多く含まれています。

EPAは人間の体内では生成されない必須脂肪酸であり、ダイエットに深く関わる栄養素です。そのため、「痩せる」と言われています。では、その具体的な効果を見てみましょう。

脂肪燃焼の促進

EPAやDHAを含む魚油の摂取は、脂肪を分解して熱を産生する「褐色脂肪細胞」の増加を促すことが動物実験で示されています。鯖缶は、手軽に魚油を摂取できるので役立ちます。

私たちの体には、脂肪を蓄積する「白色脂肪細胞」と、脂肪を燃焼する「褐色脂肪細胞」があります。EPAを含む魚油を摂取することで、交感神経が活性化され、白色脂肪細胞が褐色化することが動物実験で確認されています。

やせホルモンの分泌を促進

EPAやDHAを含む魚油は、「GLP-1」と呼ばれる「やせホルモン」の分泌を促進します。

GLP-1には、胃の運動を緩やかにして食欲を抑制し、膵臓に作用してインスリンの分泌を促進し、食後の血糖値の上昇を抑制する作用があります。

中性脂肪値の低下

鯖缶に含まれるEPAは、中性脂肪値を低下させる効果があります。

EPAはLDL(悪玉)コレステロールを減少させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させ、血管の柔軟性を保つことから、血中の中性脂肪を減少させるとされています。

身近な食材である鯖は、塩焼きや缶詰などでよく知られています。有名なDHA以外にも、どのような栄養素が含まれているかをご存知でしょうか?この記事では、管理栄養士が鯖の栄養や効果、適切な調理法などを解説します。

サバ缶ダイエットのやり方

1:鯖水煮缶を1日1缶摂取する

鯖缶ダイエットでは、鯖の水煮缶を1日1缶を目安に摂取しましょう。

厚生労働省の食事摂取基準(2020年度版)によれば、EPA、DHA、α-リノレンを合わせたn-3系脂肪酸の摂取量目標は、18~49歳の女性で1.6gです。n-3系脂肪酸は体内で生成されないので、日常の食事で摂取することが重要です。

ダイエット中に選ぶ缶詰の種類は、鯖の水煮缶がおすすめです。

他の青魚の缶詰でも構いませんが、味付けがされているものはカロリーや塩分が高くなる傾向があるため注意が必要です。

鯖の水煮缶ならば、1缶(190g)当たり330kcalであり、味噌煮缶は399kcalです。

2:食物繊維を豊富に摂取する

先ほどご紹介したGLP-1の分泌を促進するために、EPAだけでなく食物繊維も摂取しましょう。

鯖缶ダイエットの効果を高めるためには、根菜類やきのこ類、豆類などの食物繊維が豊富な食材と一緒に鯖缶を摂取することをおすすめします。

3:鯖缶の汁も摂取する

調理の手間がかからず、骨まで含めて摂取できる鯖缶は、栄養を効率的に摂取するのに適しています。

鯖缶の汁にもEPAが含まれているので、汁も一緒に摂取しましょう。汁ごと食べたり、調理に利用したりすることで、栄養をしっかり摂取できます。

サバ缶を食べる最適なタイミングは?

鯖缶を摂取するベストなタイミングは、朝食です。

マウスを用いた実験では、朝と夜に魚油を摂取した場合、2週間の摂取後に朝に摂取した方が血中のEPAやDHAの濃度が高く、中性脂肪値も低下することが明らかになっています。

さば缶は朝でも手軽に食べられるため、取り入れる際にはぜひ朝食で試してみてください。

鯖缶ダイエットの成果は1週間で現れる?

さば缶ダイエットは即効性のある方法ではありません。

ダイエットを成功させるためには、バランスの取れた食事と適度な運動が重要です。長期的に無理なく取り組み、体を動かす習慣を意識しましょう。

実験では、さば缶に含まれるEPAやDHAを摂取したマウスの血中や肝臓の中性脂肪値が2週間で減少したという報告もありますので、まずは2週間程度続けてみることをお勧めします。

鯖缶ダイエットで減量できない理由は?

さば缶ダイエットで減量できない場合、摂取カロリーが消費カロリーを上回っている可能性が考えられます。

さば缶を摂取しても他の食事が偏っていたり、体を十分に動かしていなかったりすると、さば缶のダイエット効果を実感できないかもしれません。

また、短期間での減量ではなく、継続的な取り組みが重要です。

まとめ

サバ缶ダイエットは、魚の栄養素であるEPAやDHAを摂取することでダイエット効果を期待する方法です。以下にサバ缶ダイエットの特徴と効果をまとめます:

EPAとDHAの摂取:サバ缶にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの多くの栄養素が含まれています。これらの栄養素は、脂肪燃焼を促進し、中性脂肪値を下げる効果があります。

手軽さ:サバ缶は調理の手間がかからず、保存が容易なため、忙しい人や料理が苦手な人にも適したダイエット方法です。

朝食に最適:サバ缶を朝食で摂取することで、血中のEPAやDHAの濃度が高まり、中性脂肪値が低下することが報告されています。

食物繊維との併用:ダイエット効果を高めるためには、食物繊維を豊富に含む野菜やきのこ類と組み合わせることがおすすめです。

長期的な取り組みが重要:即効性のあるダイエット方法ではありません。バランスの取れた食事と適度な運動との組み合わせが成功の鍵です。

個人差がある:効果の出方は個人差があります。食事内容や運動量、体質などによって結果が異なるため、自身の体に合った方法を見つけることが重要です。

サバ缶ダイエットは、手軽で効果的なダイエット方法の一つですが、単独での摂取ではなく、バランスの取れた食事と適度な運動との組み合わせが大切です。

最新情報をチェックしよう!