岡山県は温暖な気候を活かした農業が盛んで、美味しいお米の産地として、また桃やぶどうの生産地として知られています。
また、高地で育つ雑穀類を使った団子や餅の料理も岡山を代表する味覚のひとつです。
「岡山には日本のすべてがある」とも言われるように、地域ごとに特徴的な自然環境を持ち、豊かな変化を見せています。
自然の恵みと人々の努力が調和し、山海の幸を活かした郷土料理が生み出され、日々の生活に彩りを添えています。
岡山ばらずしの歴史
江戸時代、岡山の領主であった池田光政が質素倹約を推奨し、「一汁一菜」を基本とする食事を求めました。
この決まりを逆手にとった人々が、寿司飯にさまざまな具材を混ぜ込み、見た目は質素に見える一菜を工夫して作りました。
この料理は「ばらずし」と呼ばれるようになり、現在も岡山の伝統料理として親しまれています。
ばら寿司の材料と手順
材料（1人分）
精白米：70g
水：95g
酢飯用調味料：砂糖6g、米酢10g、塩0.9g
エビ：20g（甘酢漬け）
アナゴ：15g（煮焼き）
ニンジン：5g（塩ゆで）
干しシイタケ：1g（調味料で煮る）
レンコン：8g（甘酢煮）
錦糸卵：20g
サヤエンドウ：5g（塩ゆで）
手順
1：ご飯を炊き、酢飯を作る。
2：アナゴは調味料で煮焼きにする。
3：ニンジン、干しシイタケ、レンコンをそれぞれ下ごしらえ。
4：錦糸卵を用意し、サヤエンドウを茹でる。
5：酢飯にアナゴ、ニンジン、シイタケを混ぜ、他の具材を上に盛り付ける。
昔、寿司を重箱に詰める際、具材を下に隠し、表面はシンプルに飾りました。食べる時に重箱をひっくり返すと、豪華な見た目の寿司が現れたそうです。
まとめ
岡山の郷土料理「ばら寿司」は、地域の歴史や文化が反映された伝統的な一品です。
その起源は江戸時代にさかのぼり、岡山藩主・池田光政が出した「一汁一菜」を基本とする倹約令が関係しています。
この制限の中で、庶民は寿司飯に海や山の幸を混ぜ込むことで、見た目は質素ながら中身は贅沢な料理を工夫しました。これがばら寿司の始まりとされています。
ばら寿司は、新鮮な魚介類や野菜をたっぷりと使用し、酢飯の上に彩り豊かに盛り付けるのが特徴です。
エビやアナゴ、ニンジン、レンコン、干しシイタケ、錦糸卵などが一般的な具材で、それぞれが調和しながらも素材本来の味わいを楽しむことができます。
祭りや祝い事など特別な場面で提供されることが多く、地域の人々にとってハレの日を彩る料理として親しまれています。
その見た目の美しさや味の奥深さから、岡山を代表する郷土料理として全国にも知られる存在となっています。
