埼玉県は東京都に隣接し、交通の便が良く、住宅地や商業施設が多く点在しています。
一方で、秩父エリアをはじめとした西部には、山や川などの豊かな自然が広がり、県北部や東部では田畑が多く見られ、農産物が豊富に生産されています。小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、きゅうり、大豆などは、全国でも有数の生産量を誇っています。
くわいごはんの由来
埼玉県の草加市や越谷市など、湿地帯が多い地域では、古くから「くわい」の栽培が盛んに行われてきました。
この地域の土壌には鉄分が多く含まれており、それがくわいの色や品質を高める要因となっています。
一時期はくわい畑が広がっていましたが、栽培が難しいため、生産者の減少が見られています。それでも、くわいはその大きな芽が「縁起が良い」とされ、特にお正月の料理には欠かせない食材です。
くわいごはんの作り方
材料(1人分)
精白米:70g
水:84g
清酒:1.2g
塩:0.5g
濃口醤油:15g
鶏もも肉(小さく切る):6g
にんじん(細切り):10g
くわい:15g
油揚げ(細切り):6g
グリーンピース:3g
砂糖(上白糖):1g
濃口醤油:3g
塩:0.3g
水:15g
下ごしらえ
油揚げは湯通しして油抜きする。
くわいは洗って皮をむき、水気を切ったあと、170℃で素揚げする(芽も使用)。
3:グリーンピースを茹でておく。
作り方
1:米に酒、塩、醤油、水を加えて炊く。
2:別鍋で水、砂糖、醤油、塩を煮立て、鶏肉、にんじん、油揚げの順に加え煮る。
3:炊きあがったご飯の上に2の具材と揚げたくわいをのせて蒸らし、最後にグリーンピースを加えて混ぜる。
くわいはオモダカ科の水生多年草で、塊根の部分を食用とします。
平安時代初期に中国から伝わり、日本でも栽培されるようになりました。
その名前には、「若い栗の味に似ている」ことから「くわいぐり」が略されたという説や、「葉の形が鍬(くわ)に似ている芋(いも)」という説など、さまざまな由来があります。
まとめ
くわいごはんは、埼玉県の郷土料理で、特にお正月に食べられることが多い伝統的な料理です。
主な特徴は、くわいの根茎を使った混ぜごはんで、縁起をかついで食べられます。くわいはその大きな芽が「芽が出る」ことから、成長や繁栄を象徴する食材とされています。
作り方は、まず米を酒、塩、醤油と一緒に炊き、別で鶏肉、にんじん、油揚げを煮たものを用意します。
その後、揚げたくわいと一緒に炊きあがったご飯に混ぜ、最後にグリーンピースを加えて完成します。くわいは、皮をむいて素揚げにしてから使用することが一般的で、その食感がご飯に豊かな風味を与えます。
くわいごはんには、栄養素も豊富で、タンパク質や食物繊維、ビタミンA、カルシウムなどが含まれています。
埼玉県の草加市や越谷市など、湿地帯の多い地域で古くから栽培されており、当地の特産品として親しまれています。
この料理は、家庭での食事だけでなく、学校給食や行事食にも登場することが多く、地域の伝統を感じさせる一品です。