ゆで卵を使ったダイエットは、古くから人気のある方法です。およそ20年以上前にも話題になり、特にタレントの板東英二さんがテレビで取り上げたことをきっかけに広く知られるようになりました。
このダイエット法は非常にシンプルです。基本的な方法としては、1日に3食、全ての食事を茹で卵に置き換えるというものです。
毎日茹で卵のみを食べ続けることで、自然と1日で10個程度の茹で卵を摂取することになります。
ゆで卵のカロリーについて
茹で卵1個(Lサイズ)は約90キロカロリーです。仮に1日に10個食べたとしても、合計で900キロカロリー程度となり、基礎代謝の範囲を超えないため、体脂肪をエネルギーとして消費しやすくなります。
ただし、注意が必要なのは、茹で卵のみを食べるという単一食品ダイエットである点です。
同じものだけを食べる単一食品ダイエットは、栄養が偏りやすいため、長期間続けるのはあまり推奨されません。最大でも2週間ほどの短期間で取り組むのが理想的です。
短期集中でダイエット効果を求める方に向いているこの方法は、長く続けると健康を損ねるリスクもありますが、茹で卵自体はダイエット向きの食材と言えます。
例えば、朝食を茹で卵だけにし、昼食や夕食はバランスを考えた食事をとるなど、他の食事と組み合わせて栄養バランスを保つ工夫も良いでしょう。
また、甘いお菓子の代わりに茹で卵を食べることで、日常の食事量を抑え、ダイエット効果をさらに高めることができます。
ダイエットに卵が効果的な5つの理由
卵がダイエットに適している理由について、詳しくご紹介します。
卵が優れている点は、次の5つです。
糖質がほぼゼロ
たんぱく質の補給源になる
栄養バランスが優れている
手に入りやすい
調理法が豊富
理由1:糖質がほとんど含まれていない
卵は1個あたりの糖質がわずか0.1gで、糖質が少ない食材の一つです。糖質の摂り過ぎは体重増加につながるため、ダイエット中は控えることが重要です。
とはいえ、糖質を抑えた食材を見つけるのは意外と難しいものです。卵は糖質が低く、さらに脂質やカロリーも少ないため、ダイエットに適した食材と言えるでしょう。
理由2:たんぱく質が豊富
卵は高品質なたんぱく質を摂取できる食材としても知られています。卵1個(約50g)には6.2gのたんぱく質が含まれ、アミノ酸スコアが100という理想的な栄養価を持っています。
アミノ酸スコアは、食品中の必須アミノ酸のバランスを評価する指標で、100に近いほど良質なたんぱく質とされます。他にも豚肉や大豆、牛乳などがアミノ酸スコア100に近い食品です。
理由3:栄養価の高い完全食
卵は「完全栄養食」とも称される食材で、以下の栄養素が含まれています。
アミノ酸
レシチン
コラーゲン
ビタミン類(A、B2、B6、B12、D、E)
葉酸
カルシウム
マグネシウム
リン
鉄
亜鉛
ビタミンCと食物繊維以外のほとんどの栄養を含んでおり、これにより「完全栄養食」と呼ばれています。
かつて卵のコレステロールについて懸念がありましたが、現在の研究では過剰摂取の影響が見直され、1日1個までといった制限も撤廃されています。
理由4:どこでも手に入りやすい
卵はスーパーマーケットやコンビニなどで手軽に購入でき、1パック200~300円程度と比較的安価です。
多くの家庭で常備されている食材でもあり、その入手のしやすさもダイエットに活用しやすいポイントです。
理由5:多彩な調理方法
卵は、さまざまな調理法で楽しむことができる食材です。ゆで卵をはじめ、茶碗蒸しや卵焼き、スープなどにすることもでき、飽きることなく取り入れることができます。
さらに、他の食材と組み合わせて栄養バランスを強化することも可能です。例えば、キャベツを加えた卵焼きや野菜入りスープにすれば、卵に含まれない食物繊維も摂取できます。持ち運びやすく手軽に食べられるゆで卵は、ダイエット中の食事にもぴったりです。
ゆで卵ダイエットのメリットとデメリット
メリット
低カロリーで満腹感を得やすい ゆで卵は1個あたり約90キロカロリーで、低カロリーながら、たんぱく質が豊富に含まれているため、満腹感を得やすいです。これにより、食事量を自然に減らすことができます。
簡単に準備できる ゆで卵は調理が簡単で、手軽に準備できます。作り置きも可能なので、忙しい日でもダイエットを続けやすいです。
たんぱく質を豊富に摂取できる ゆで卵は高品質なたんぱく質源です。たんぱく質は筋肉を維持するために重要であり、ダイエット中の筋肉量の減少を防ぐ助けになります。
栄養素が豊富 卵はビタミンB群やビタミンD、亜鉛、カルシウム、アミノ酸など、体に必要な栄養素が豊富に含まれています。ダイエット中でも栄養のバランスを保ちやすい点が魅力です。
飽きにくい調理法が豊富 ゆで卵は、そのまま食べる以外にも、サラダに加えたり、スープに入れたりと、バリエーション豊かな食べ方ができるため、長期間続けやすいです。
デメリット
栄養バランスが偏る可能性がある ゆで卵だけを食べるダイエットは、食物繊維やビタミンC、その他の栄養素が不足しがちです。長期間続けると、健康に悪影響を与える可能性があります。
飽きが来ることがある 卵の調理方法にバリエーションはありますが、それでも毎日同じ食材を食べることは飽きやすく、モチベーションの低下を招くことがあります。
食べ過ぎによる栄養過剰のリスク 卵は栄養が豊富ですが、食べ過ぎるとコレステロールの摂取量が過剰になる可能性もあります。特に高コレステロールの方には注意が必要です。
食事の楽しみが減少する ゆで卵ダイエットは単品ダイエットになりがちで、他の食材と組み合わせることが少ないため、食事が単調になり、食べる楽しみが減少することがあります。
長期間の実施は難しい ゆで卵ダイエットは短期間で効果を期待できますが、長期間続けると栄養の偏りや体調不良を引き起こす可能性があり、健康維持のためには他の食材とのバランスを取ることが重要です。
ゆで卵ダイエットは、短期間でのダイエット効果を得やすく、手軽に取り入れられる方法ですが、栄養の偏りや飽きやすさがデメリットとして挙げられます。健康を維持しながらダイエットを続けるためには、適切な期間を決めて実施することが大切です。
まとめ
ゆで卵ダイエットは、簡単で効果的なダイエット方法として広く知られています。このダイエット法の基本は、1日に3食の食事のうち、ゆで卵だけを食べるというものです。特に、1日に10個程度のゆで卵を摂取することで、必要なカロリーを抑えつつ、満腹感を得られるため、体重を減らすことができます。
ゆで卵は低カロリーで、1個あたり約90キロカロリーとカロリーが控えめでありながら、たんぱく質が豊富です。たんぱく質は筋肉の維持に重要で、ダイエット中に筋肉量が減少するのを防ぐ効果があります。また、卵はアミノ酸スコアが100の高品質なたんぱく質を提供し、体に必要な栄養素も多く含んでいます。ビタミンB群やビタミンD、カルシウム、亜鉛などが豊富で、栄養面でも優れた食品です。
ただし、このダイエット法にはいくつかの注意点もあります。ゆで卵ダイエットは単一の食材を食べ続けるため、食物繊維やビタミンC、その他の栄養素が不足しがちです。長期間続けると健康に影響を与える可能性があるため、ダイエット期間を2週間程度に制限するのが理想的です。
また、毎日同じ食材を食べることで飽きが来ることもあります。そのため、朝食だけゆで卵を食べ、昼食や夕食はバランスを考えた食事を取り入れる方法も効果的です。
ゆで卵ダイエットは短期間で結果を得やすい方法ですが、栄養バランスを考慮しながら実施することが重要です。