日本のほぼ中央に位置する群馬県は、赤城山、榛名山、妙義山などの山々や、利根川の清流、尾瀬の湿原といった多様な自然に恵まれた地域です。
また、草津、伊香保、水上、四万など、数多くの温泉地も魅力的です。その形が鶴が舞う姿に似ていることから、「鶴舞う形の群馬県」とも称されます。
県内では、こんにゃくやキャベツ、ほうれん草、ネギといった農産物や、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜産物が豊富で、「農業王国」や「畜産王国」としても知られています。
おきりこみの由来を紹介
「おきりこみ」は、群馬県の伝統的な郷土料理のひとつです。
小麦粉から作る平たい幅広の麺を、地元の野菜や鶏肉などと一緒に煮込んだもので、地域によって「おっきりこみ」や「にぼとう」と呼ばれることもあります。
具材や味付けは家庭ごとに異なりますが、温かくとろみのあるスープが特徴です。寒い季節にぴったりのこの料理は、体をしっかり温めてくれます。
材料(1人分)
麺: 小麦粉(中力粉)100g、塩1g、水50g
具材: 鶏むね肉25g、にんじん8g、大根20g、乾しいたけ0.8g、里芋20g、油揚げ5g、白菜10g、長ネギ3.5g
調味料: 濃口しょうゆ6.2g、サラダ油1g、だし用のかつお節3g、水130g
作り方
1:乾しいたけは水で戻し、かつお節でだしをとる。
2:小麦粉に塩と水を加え、生地をなめらかになるまで練る。生地を2~3mm厚に伸ばし、幅1cm、長さ10~15cmに切る。
3:鍋にサラダ油を熱し、鶏むね肉、にんじん、大根を炒める。だし汁を加え、アクを取りながら煮る。
4:しいたけ、里芋、油揚げ、白菜を加え、さらに煮込む。
5:麺を下ゆでせずに鍋に直接入れ、火が通ったら濃口しょうゆで味を調える。
6:最後にネギを散らして完成。
「おきりこみ」という名前は、麺を手で切りながら鍋に入れて煮込む調理法に由来します。
この料理は忙しい農作業の合間に手早く作れる栄養満点の一品として、上州の女性たちによって生まれました。
また、翌日温め直して麦飯にかけると、さらに味が深まります。昔は「おいしいおきりこみを作れなければ嫁に行けない」とも言われるほど、家庭料理として重宝されていました。
まとめ
「おきりこみ」は、群馬県を代表する伝統的な郷土料理です。
小麦粉から作られる幅広で平たい麺を、地元産の野菜や鶏肉、だしとともに煮込んだもので、地域によって「おっきりこみ」や「にぼうと」とも呼ばれます。
具材や味付けは家庭ごとに異なりますが、アツアツでとろみのあるスープが特徴で、寒い季節にぴったりな一品です。
この料理名は、麺を手で切りながら鍋に直接入れて煮込む調理法に由来します。
使用される具材には、大根、里芋、白菜、油揚げなどの地場野菜が中心で、栄養バランスに優れています。また、小麦の生産が盛んな群馬県では、地粉を使った手作り麺が昔から親しまれてきました。
おきりこみは、農作業に励む上州の女性たちが手早く作れる料理として生まれました。
翌日温め直して麦飯にかけるとさらに味が染み込み、よりおいしくいただけます。寒い冬の日、心も体も温めてくれるこの料理は、地元の家庭で今も愛され続けています。