秋田県は北東北に位置し、世界遺産に登録された「白神山地」を有し、海や山の自然環境に恵まれています。
各地で異なる気候や風土を背景に、豊かな「食文化」が発展しており、多様な特産物が自慢です。自然の恵みを活かした地場産物や特産物、知恵から生まれた郷土料理が数多く存在します。
きりたんぽ
秋田県北部の大館・鹿角地方が発祥とされる「きりたんぽ」は、炭焼きや狩猟を生業とする人々が山での保存食として杉の串にご飯を巻きつけて炭火で焼いたのが始まりとされています。
槍の刃を覆う「たんぽ」に形が似ていることからこの名がつき、鍋料理に使う際に切って入れることから「きりたんぽ」と呼ばれるようになりました。
きりたんぽの材料と作り方
材料
精白米: 100g
水: 220g
鶏もも肉(こま切れ): 25g
ごぼう(ささがき): 15g
つきこんにゃく(3㎝に切る): 25g
まいたけ(ほぐす): 15g
根深ねぎ(斜め切り): 10g
せり(3㎝に切る): 10g
鶏がら: 20g
水: 200g
こいくちしょうゆ: 10g
清酒: 2g
みりん: 2g
食塩: 0.5g
作り方
1:鶏がらと水でだしをとる。
2:ごぼうを水にさらしてアクを取る。
3:米を炊き、熱いうちにつぶし、手に塩をつけてひと握り大にまとめる。それを杉の棒に巻きつけ、表面に焼き目がつくように焼く。
4:鶏がらだしに鶏もも肉を入れ、アクを取る。
5:ごぼう、つきこんにゃく、まいたけを順に入れ、調味料で味つけする。
6:きりたんぽ、根深ねぎ、せりを入れてひと煮立ちさせる。
きりたんぽの栄養量
エネルギー: 657kcal
たんぱく質: 24.5g
脂質: 16.1g
カルシウム: 317mg
鉄: 1.8mg
ビタミンA: 157μgRE
ビタミンB1: 0.23mg
ビタミンB2: 0.43mg
ビタミンC: 17mg
食物繊維: 4.1g
食塩: 2.4g
マグネシウム: 92mg
亜鉛: 2.5mg
きりたんぽの伝統
「きりたんぽ」は、秋田県北部で受け継がれてきた郷土料理です。新米がとれる秋から冬にかけて、比内地鶏や地元の野菜とともに楽しまれます。
現在では祝い事に欠かせない料理の一つとして、多くの家庭で親から子へと伝えられています。皆さんも、この美味しいきりたんぽの味を次世代に伝えていきましょう。
まとめ
きりたんぽは、秋田県北部の大館・鹿角地方で生まれた伝統的な郷土料理です。炊いたご飯を杉の串に巻き、香ばしく焼き上げたものを指します。
炭焼きや狩猟を生業とする人々が山での保存食として始めたもので、串に巻いた形が槍の刃を覆う「たんぽ」に似ていることから名付けられました。
炊きたてのご飯を杉の棒に巻きつけて焼き、その後、鶏肉や野菜と一緒に鍋で煮込みます。主に比内地鶏、ゴボウ、セリ、ネギ、舞茸などが使われます。
秋から冬にかけて、新米がとれる時期に特によく食されます。現在では祝い事や家庭の食卓に欠かせない一品で、地域の味として親しまれています。
きりたんぽは、親から子へと受け継がれる「おふくろの味」としても知られ、家庭や地域で大切にされています。